
こんにちは!元倉敷市役所職員の内川です。
在職中は、それこそ道路管理課や耕地水路課の窓口などで、日々たくさんの道路や水路に関する相談の中から「空き家」に関するご相談を受けてきました。その中で、本当に、本当に耳にタコができるほど聞いてきたのがこの言葉です。
「こんなことなら、親が元気なうちにあれこれ聞いておけばよかった……」
家が完全に「空き家」になってから動こうとすると、法律、税金、そして親族間の話し合いでめちゃくちゃエネルギーを使います。最悪の場合、親子の関係にヒビが入ることも少なくありません。
そうなる前に、親御さんが元気な「今」だからこそ絶対に準備しておくべき3つのことを、元職員のぶっちゃけ話を交えてお伝えします。
1. 家族会議で「この家、将来どうする?」の方向性を握っておく
【準備すること】お正いやお盆、親が元気なうちに「実家の未来」を雑談レベルから話し合う。
なぜ「前」に必要なの?(元職員の本音)
役所の窓口で一番多かったトラブルが、「兄弟間での意見の食い違い」です。「兄貴は売りたいって言うけど、私は思い出があるから残したい」とか。親御さんが亡くなった後や、認知症などで意思疎通が難しくなってからだと、まとまる話もまとまりません。
「売るのか」「誰かが継いで住むのか」「賃貸に出すのか」。親御さんの「本当はどうしたいか」という本音を聞き出せるのは、元気な今しかありません。綺麗にリフォームして残すにしても、売却するにしても、家族全員の意思が揃っていれば、後々の手続きが驚くほどスムーズになります。
2. 実家の「権利関係(名義)」と「境界線」を確認しておく
【準備すること】実家の土地・建物が「誰の名義」になっているか、隣の家との「境界」はハッキリしているか調べる。
なぜ「前」に必要なの?(元職員の本音)
これ、実はめちゃくちゃ盲点です。いざ空き家になって売ろうとしたら、「実は名義がおじいちゃんのままで、親の名義になっていなかった!」なんてケースが倉敷でもゴロゴロあります。名義変更(相続登記)を何代も放置していると、いざ変えようとした時に全国に散らばる親戚数十人のハンコが必要になり、これだけで数年がかりの泥沼になります。
また、古いおうちの場合、隣の家との境界線(ここまでがウチの土地、という境目)が曖昧なことも多いです。親御さんが元気なら「あそこのブロック塀の角が境目だよ」とお隣さんと確認し合えますが、誰もいなくなってからだと証明が難しくなり、測量費用で大金が飛んでいくことになります。
3. 親と一緒に「不用品の処分」を少しずつ始めておく
【準備すること】実家の物置やタンスの中身、使っていない部屋の荷物を少しずつ減らす。
なぜ「前」に必要なの?(元職員の本音)
いざ空き家になって、いざ処分しようとなると、そのゴミの量と処分費用に絶句します。業者に丸投げすると、一軒家で50万〜100万円近くかかることもザラです。
「倉敷市では空き家の家財処分に補助金が出る」という制度もありますが、実は予算上限があっていつでも必ずもらえるわけじゃないですし、申請の手続きも役所特有の書類出しが必要で結構手マです。 親御さんが元気なうちに「これ、もう使ってないよね?」と確認しながら、倉敷市の「ごみカレンダー」に沿って、毎月の通常のごみ収集で少しずつ捨てていけば、実質タダです。何より「親の大事なもの」と「ただのゴミ」の仕分けは、親が一緒じゃないと絶対にできません。
【元役所職員からのここだけのメッセージ】
役所の制度(補助金など)は、基本的に「空き家になってから」じゃないと使えないものが多いです。
ですが、一番大事な「意思決定」「名義の整理」「荷物の片付け」の3つは、空き家になる前にしかできません。ここがクリアになっていれば、将来空き家になったとしても、役所の補助金(解体補助やリフォーム補助)をフル活用して、一番おトクに、しかもスピード解決できます。
親御さんに「実家のことなんだけど…」と切り出すのは少し勇気がいるかもしれませんが、ぜひ「倉敷市の元役所の人がブログで言ってたんだけどさ」と、私のせいにしてみて話し合ってみてくださいね。




