「相続した実家が空き家になっている」
「古くなったので解体したいけれど、補助金は使える?」
倉敷市で空き家の相談を受けていると、こうした質問は少なくありません。
倉敷市には、一定の条件を満たす空き家の解体費用を補助する制度があります。
正式名称は、
「倉敷市空家等除却事業費補助金」
です。
令和8年度は、補助対象となる工事費の2分の1、上限50万円が補助されます。
ただし、倉敷市にある古い空き家なら、すべて対象になるわけではありません。
そして最も注意してほしいのが、
解体業者と工事契約をする前に、倉敷市建築指導課へ相談すること。
契約後では、補助金を受けられない可能性があります。
今回は、倉敷市で空き家の売却・相続相談に携わる正直不動産が、制度のポイントと「解体する前に考えてほしいこと」を分かりやすく解説します。
倉敷市の空き家解体補助金はいくら?
令和8年度の「倉敷市空家等除却事業費補助金」は、
補助対象工事費の2分の1、上限50万円
です。
例えば、補助対象工事費が80万円なら40万円、120万円なら上限の50万円となります。
令和8年度の申請受付期間は、
令和8年4月20日~令和8年12月28日
です。
工事完了や実績報告にも期限がありますので、年末近くになってから動くのではなく、早めに建築指導課へ相談することをおすすめします。
ちなみに今年の補助金は無くなったそうです。
どんな空き家が対象になる?
「築年数が古い」「何年も住んでいない」というだけでは対象になりません。
令和8年度は、倉敷市内にある空家等で、
「特定空家等」と倉敷市が認定したもの
または、
適切な管理がされておらず、特定空家等となるおそれがあると市長が認めるもの
などが対象です。
つまり、
「築50年以上だから対象だろう」
「屋根が傷んでいるから大丈夫だろう」
と所有者だけで判断することはできません。
まず倉敷市建築指導課へ相談し、対象になる可能性があるか確認することがスタートです。
なお、空家法に基づく勧告を受けた特定空家等は補助対象外となります。
解体業者にも条件があります
解体業者なら、どこでもいいわけではありません。
必要な建設業許可または解体工事業登録を受けていることに加え、令和8年度制度では、
倉敷市内に本社または本店がある業者
が施工することが条件となっています。
「知り合いの業者だから」「見積りが安かったから」だけで契約せず、補助金の要件を満たしているか確認してください。
最大の注意点。「先に契約」はNG
この制度で一番注意していただきたいポイントです。
解体業者と工事契約をする前に、建築指導課へ相談してください。
よくあるのが、
見積りを取る
↓
金額に納得する
↓
解体業者と契約する
↓
あとから補助金を知る
というケースです。
しかし、倉敷市は工事契約を行う前の相談を求めています。
「まだ解体工事は始まっていないから大丈夫」とは限りません。
補助金を利用したい場合は、
市役所へ相談 → 対象確認・申請 → 契約 → 解体工事
この順番を守ることが重要です。
空き家相談でよくある3つの失敗
① 補助金があるから先に解体してしまう
不動産会社として、これは特に注意してほしい点です。
古い家だからといって、解体した方が高く売れるとは限りません。
中古住宅として売れる場合もあれば、古家付き土地として売却した方が売主の手取りが多くなるケースもあります。
例えば、
解体費200万円
補助金50万円
自己負担150万円
だった場合。
解体することで300万円高く売れるなら意味があるかもしれません。
一方、建物を残しても同じような価格で売れるのであれば、150万円を負担して解体する合理性は低くなります。
「補助金が使えるか」と「解体した方が得か」は別の問題です。
② 解体業者と契約してから申請する
補助金を検討しているなら、契約前に必ず制度を確認してください。
ポイントは「工事を始めたか」ではなく、契約してしまったかどうかです。
家族で解体の話が出た段階で相談する方が安全です。
③ 建物だけ壊せばいいと思っている
倉敷市の制度では、対象となる建築物の全部撤去が基本です。
倉庫、離れ、門扉、塀、立木などがある場合、
「どこまで撤去する必要があるのか?」
を事前に確認しておく必要があります。
見積りを取る際にも、補助対象となる工事範囲を建築指導課へ確認しておくことをおすすめします。
正直不動産がおすすめする順番
空き家の解体を検討している場合、私たちは次の順番をおすすめしています。
① 空き家の現状を確認する
建物の老朽化、家財、樹木、塀、接道状況などを確認します。
↓
② 不動産としての価値を確認する
建物付きで売った場合と、更地にした場合の両方を検討します。
↓
③ 倉敷市建築指導課へ相談する
補助金の対象になる可能性があるか確認します。
↓
④ 条件を満たす解体業者から見積りを取る
↓
⑤ 補助金の申請手続きを行う
↓
⑥ 契約・解体工事
↓
⑦ 解体後の土地を売却・活用する
大切なのは、いきなり③や④から始めないことです。
まず、
「この空き家、本当に壊した方がいいのか?」
を不動産として考えることが重要です。
相続した空き家は「名義」にも注意
倉敷市の空き家では、
「実家は父名義だけれど、父は何年も前に亡くなっている」
というケースも珍しくありません。
相続した不動産を売却する場合には、原則として相続登記を整理する必要があります。
さらに、
・相続人が誰か分からない
・兄弟で話がまとまっていない
・県外に相続人がいる
・何代も前の名義になっている
という場合には、解体や売却の前に相続関係を整理する必要があります。
空き家問題は、単に建物の問題ではありません。
「相続」「解体」「不動産売却」が重なっていることが多い問題です。
だからこそ、一つずつ別々に考えるのではなく、最初に全体の出口を考えることが大切です。
倉敷市の空き家は「壊す前」にご相談ください
空き家を相続すると、
「古いから、とりあえず壊そう」
と考えてしまいがちです。
しかし、解体してしまえば元には戻せません。
そのまま売った方がいい家もあれば、解体して土地として売った方がいい家もあります。
正直不動産では、倉敷市の空き家について、
「売る」「残す」「活用する」「解体する」
を最初から決めつけず、その不動産にとって最も合理的な出口を考えます。
特に相続した実家や長期間使っていない空き家は、解体業者と契約する前にご相談ください。
「この空き家、どうしたらいいんだろう?」
その段階で大丈夫です。
空き家は、早く整理を始めるほど選択肢を残すことができます。
倉敷市で空き家・相続不動産にお困りの方は、正直不動産までお気軽にご相談ください。
※本記事は令和8年度(2026年度)の倉敷市公表情報をもとに作成しています。制度内容、受付状況等が変更される場合がありますので、実際の申請時には倉敷市建築指導課へ最新情報をご確認ください。
制度名:倉敷市空家等除却事業費補助金
担当:倉敷市 建設局 建築部 建築指導課




