
「実家を相続したけど売れるだろうか?」
「空き家のまま置いていても大丈夫?」
この質問を、私は毎週のように受けます。
相続専門の行政書士として相続相談を受け、不動産業者として売買にも携わっている立場から言えることがあります。
倉敷市の空き家は、これから"二極化"が急速に進みます。
今後は
- 高く売れる空き家
- 買い手が全く見つからない空き家
この差が、今まで以上に広がります。
その理由を、倉敷市のエリアごとに解説します。
倉敷市全体で起きる3つの変化
まず押さえておきたいのは、市場全体の流れです。
① 人口は便利な場所へ集まる
倉敷市では「立地適正化計画」により、
- ・駅周辺
- ・商業施設周辺
- ・公共交通が利用しやすい地域
へ居住を誘導する方針が示されています。
つまり今後は、
「住みやすい場所へ人が集まり、そうでない場所は空き家が増える」
という流れになります。
② 古い家より土地が評価される時代
築50年を超える住宅では、
「家を買う」
というより
「解体して土地を利用する」
というケースが増えています。
実際の売買でも
- 建物価値0円
- 土地のみ評価
という査定は珍しくありません。
③ 相続が空き家を増やす
倉敷市で空き家になる原因の多くは、
「親が亡くなったあと」
です。
相続人が
- ・岡山市
- ・広島
- ・大阪
- ・東京
など県外へ住んでいるケースでは、
その家へ戻る可能性は低くなります。
その結果、
相続
↓
放置
↓
老朽化
↓
売れない
という流れになってしまいます。
倉敷駅周辺(老松・日ノ出町・幸町・浜町など)
将来性 ★★★★★
ここは今後も人気は高いでしょう。
理由は
- ・倉敷駅
- ・美観地区
- ・商業施設
- ・病院
- ・学校
すべてが揃っています。
古家でも
建替え目的で購入する方が多く、
空き家でも比較的売却しやすい地域です。
中庄・川崎医大周辺
将来性 ★★★★★
安定した人気があります。
学生だけでなく
・病院関係者
・会社員
・ファミリー
需要が非常に多い地域です。
築年数が古くても、
リフォーム前提で売れるケースがあります。
茶屋町
将来性 ★★★★☆
岡山方面へのアクセスが良く、
人気は続くと思われます。
特に
・駅徒歩圏
・区画整理地
は評価が落ちにくいでしょう。
新倉敷駅周辺
将来性 ★★★★☆
新倉敷駅周辺は今後も需要があります。
ただし
駅から離れると価格差が大きくなります。
同じ玉島でも
・徒歩10分
・徒歩30分
では売却スピードが大きく違います。
水島
将来性 ★★★☆☆
企業城下町として一定の需要があります。
ただし
人口減少や住宅の老朽化により
地域差は広がります。
工場勤務の需要がある場所は比較的強いですが、
古い住宅地は売却に時間がかかるケースもあります。
児島
将来性 ★★★☆☆
児島駅周辺は一定の需要があります。
しかし、
山側
・狭い道路
・急傾斜地
では空き家が増える可能性があります。
景観が良くても、
車社会では
「生活の便利さ」
が優先される傾向があります。
玉島旧市街
将来性 ★★☆☆☆
歴史ある町並みですが、
古い住宅が多く、
維持管理が課題になります。
道路が狭く
駐車場がない物件では
買い手がかなり限定されます。
真備町
将来性 ★★★☆☆
平成30年豪雨以降、
防災意識は非常に高くなっています。
エリアによって評価は大きく異なります。
・浸水リスク
・ハザードマップ
・宅地の高さ
によって価格差は以前より大きくなるでしょう。
市街化調整区域
将来性 ★☆☆☆☆
最も注意が必要です。
倉敷市では
建築できる条件が限られます。
そのため
相続した土地でも
「家が建てられない」
「住宅ローンが利用しにくい」
というケースがあります。
実際、
私が相談を受ける中でも
売りたいのに買い手がいない
という相談が最も多い地域です。
私が一番心配していること
行政書士として思うのは、
相続人の多くが
「いつか売ればいい」
と考えていることです。
しかし現実には、
空き家は時間が経つほど価値が下がります。
さらに
- ・草木が伸びる
- ・雨漏りする
- ・シロアリ被害
- ・解体費が上がる
という負担だけが増えていきます。
相続は
「名義変更して終わり」
ではありません。
どう活用するか、どう処分するかまで考えて初めて相続対策です。
これからの倉敷市で最も重要な相続対策
私が相談者へ必ずお伝えしていることがあります。
それは
「親が元気なうちに、家をどうするかを家族で話しておくこと。」
これだけで、
相続後のトラブルは大幅に減らせます。
・売るのか。
・貸すのか。
・住むのか。
・解体するのか。
その答えは家庭ごとに違います。
しかし、何も決めないまま相続を迎えることだけは避けていただきたいと思います。
まとめ
倉敷市の空き家は、今後さらに地域差が広がります。
- ・倉敷駅・中庄・茶屋町・新倉敷駅周辺は需要を維持しやすい
- ・駅から遠い地域や市街化調整区域では、売却が難しくなるケースが増える
- ・相続後に放置すると、資産価値は下がり、管理負担は増える
- 「相続対策」と「不動産活用」を一緒に考えることが、これからの空き家対策では最も重要になる
倉敷市でも、立地適正化計画に基づき居住誘導区域への集約や空き家活用の補助制度を進めており、「どこにある空き家か」がこれまで以上に重要になります。




