
私たちは倉敷市と共催で、相続や空き家についての無料相談会・セミナーを4年間続けています。
これまで、相続した実家をどうすればいいか分からない方、何年も空き家をそのままにしている方、兄弟で話がまとまらない方など、さまざまな相談をお聞きしてきました。
その中で、本当によく聞く言葉があります。
「もっと早くやっておけばよかった」
今回は、実際の相談現場で感じた「空き家について後悔していることワースト3」をご紹介します。
ワースト3「家の中を片付けておけばよかった」
親が亡くなった後も、
「いつか片付けよう」
「思い出の品があって捨てられない」
と、そのままになっている家は少なくありません。
家具、布団、食器、衣類、仏壇などが残ったまま数年が経ち、いざ売ろうとすると、片付けだけでも大きな負担になります。
ただし、売却前にすべて処分する必要があるとは限りません。
建物をそのまま使うのか、解体するのか、家財を残したまま売却できるのかによって方法は変わります。
「片付けてから相談」ではなく、片付ける前に相談することをおすすめしています。
ワースト2「兄弟で話しておけばよかった」
「長男が家を継ぐと思っていた」
「妹はいらないと言っていた」
親が元気なうちは、家族も何となくそう思っています。
ところが実際に相続が始まると、
「売りたくない」
「もっと高く売りたい」
「自分にも相続する権利がある」
と意見が分かれることがあります。
さらに話し合いを先延ばしにしている間に相続人が亡くなると、その子どもなどへ相続関係が広がり、話し合う人数が増えることもあります。
相続人の一人が認知症になり、遺産分割の内容を判断できなくなると、成年後見制度などを検討しなければならない場合もあります。
空き家問題は、不動産の問題である前に家族の問題でもあります。
親が元気なうちに、
「この家、将来どうする?」
と話しておくだけでも大きく違います。
ワースト1「親が元気なうちに相談しておけばよかった」
4年間相談を続けてきて、一番感じるのがこれです。
「もう少し早ければ、できることがあったのに」
親が元気で判断能力があるうちなら、
- ・公正証書遺言を作る
- ・生前贈与を検討する
- ・誰が実家を相続するか話し合う
- ・不動産を売却する
- ・将来の管理方法を決める
など、さまざまな選択肢があります。
ところが、認知症などによって本人の判断能力が十分でなくなると、できることが限られてきます。
家族だからといって、本人名義の不動産を自由に売ることはできません。
だからこそ、相続対策は亡くなってからではなく、元気なうちから考えることが大切です。
空き家は「何もしない」ほど難しくなる
空き家になっても、最初の数年はそれほど困らないかもしれません。
しかし、その間にも雨漏り、庭木の越境、害虫、給排水設備の劣化などが進んでいきます。
さらに相続が重なると、相続人が増えて権利関係まで複雑になることがあります。
建物は古くなり、相続関係は複雑になり、解決する家族も年齢を重ねていく。
これが空き家を放置する怖さです。
倉敷市の空き家は「相続」と一緒に考える
私は行政書士として相続手続きを行う一方、不動産業者として空き家の売却にも関わっています。
実際には、相続登記をしてから初めて売却を考えるのではなく、
「誰が相続した方がいいのか」
「この家は将来売れるのか」
「残した方がいいのか」
まで一緒に考えた方がよいケースがたくさんあります。
特に倉敷市では、市街化調整区域、接道の問題、農地が付いている住宅など、売却前に調査が必要な不動産もあります。
「相続」と「空き家」を別々に考えない。
これが4年間相談会を続けてきて強く感じていることです。
まとめ|相談するなら「まだ困っていないとき」
4年間の相談現場でよく聞いた後悔は、
ワースト3 家の中を片付けておけばよかった
ワースト2 兄弟で話しておけばよかった
ワースト1 親が元気なうちに相談しておけばよかった
この3つです。
相談したからといって、すぐに実家を売る必要はありません。
「今のうちに何をしておけばいいのか」
それを知っておくだけでも違います。
相続や空き家について「まだ相談するほどではない」と思っているときこそ、実は相談するには一番いい時期なのかもしれません。
空き家対策で大切なのは、家が古くなる前に動くこと。そして、家族で話せるうちに話しておくことです。
※本記事は、これまでの空き家・相続相談で見られた傾向を一般化してまとめたものです。個別の相談者を特定する内容ではありません。




